[襟]パターンシーマー
Date : 2019.01.24
●本動画には工場長の解説がナレーションとして入っています。そちらをお聞きいただきながら技術のポイントをつかんでください
サンヨーソーイングの縫製現場においてはここまで機械的な作業が珍しいのが、このパターンシーマーと呼ばれる機械です。これは、コートの命ともいうべき襟の外周線の仕上がりを美しくするために生まれたミシンです。ゆるやかなカーブを描くコート襟の生地を美しく縫い合わせるだけでなく、見事な外周線を生み出します。
大変シンプルに見える作業の中にも人の手ではマネ出来ない技術です。パターンシーマー作業では、襟が先の部分で自動的に縫製スピードを落とし、ミシンのピッチを細かくします。襟先が左右対称にきれいな丸味に仕上げる事が出来ます。
パターンシーマー自体は、単に襟元のみならず様々な縫製に使用できます。ミシン針が縫い合わせていくすぐそばには、送られてきた板を前に押し出すためのバーがミシン台に備え付けられていて、生地の方向をしっかりと変えてくれます。独特なリズムをもったその動きには、どこか人間的な印象を覚えます。
もうひとつ重要なのは、襟の生地同士をおさえるプラスチックの板です。生地が動かないように、挟みこむときにサンドペーパーを一緒に挟みます。これだと、生地を傷めずにずれずに縫うことができます。これは、様々なトライアルをした結果たどり着いた工夫のひとつです。他の縫製工場では、もっとユニークでアッと驚くアイテムを使用しているかもしれません。基本的に、ミシンを使用し職人がひとつずつ縫い合わせていく作業が多い中で、工場に少しコミカルで楽しいエッセンスを加えてくれるのがこのパターンシーマーです。