一台一台、毎朝同じ。

Date : 2019.01.24

すべての職人さんはまず朝来た時にミシンを清掃し、工場全体を清掃します。特にミシンの清掃は細かな所にまで及び、手慣れた手つきの中にも細かな調子のチェックを行っていきます。工場では、ほぼ毎回同じ職人さんが同じ道具を使いますが、別のミシンを使って別の工程を手がけることがあります。たとえば襟を手がけるチームは、襟の縁を縫う人が、作業終了後、襟と本体を取り付ける仕事に移ることがあります。誰もが、その時はさっとミシンの前に座りすぐに作業をスタートします。工場全体で、同じ意識で同じように清掃や手入れが行われていることがよくわかる瞬間です。

作業はまずガバッとミシンを起こす所からはじまります。このミシン結構な重量があるため、体全体を使って起こします。次に、糸と針との接点になり、ボビンを取り付ける部分を丁寧に拭き取っていきます。ミシンを戻したら、針の下部分を専用の工具で開け細かなゴミを取り除きます。この部分は、針が高速で往復するのと、生地を縫い付ける場所であることから細かな糸くずや生地のほこりが付着しやすいのです。ここをきれいにしておかないと、縫い目がゆがんだり生地が傷んだりすることがあるのです。

清掃時間はトータルで10分程度でしょうか。最後に、新しいボビンを設置し、トントンとミシンのあたりを確認して完了です。流れるような動作の中に、道具を大切にする職人さんたちの意識が現れています。ミシンは道具です。現代の縫製に欠かせない存在です。サンヨーソーイングのミシンは、すべてが最新式というわけではありません。それでも、手入れが行き届いているのがよくわかります。良い技術と、良い仕上がりをつなぐ存在であるのが工場のあらゆる機械や道具類だとすれば、道具の手入れがモノの品質に確かに影響を与えるのだということが、この工場にくるとよくわかります。

Aomori Factory
こちらの工場の詳細についてはこちら

New Movies新着動画