"細部"にこそ、プライド。

Date : 2019.01.24

細部、というのは魔物です。見えるところではないけれど、見えたらいろんなことがわかってしまうトコロ。玄関にある靴箱の中とか、寝室のベッドの下とか、服のポケットの中とか、財布の小銭入れの中とか。そんなトコロは、私たちの生活の中に無数にあります。

そして大体、そうした部分にこだわりを持っている人ほど、人間として信頼できる人が多いように感じます。もちろん、こだわりがありすぎて、偏屈になりすぎたり、潔癖になりすぎたりするとそれはそれで困ってしまいます。ちょうどいい塩梅で、できることをやっている人というのが一番気持ちの良いものです。これ、人間のことならなんでも共通しているんじゃないでしょうか。だから、ものづくりにだって共通しています。

本当に作り込んで完璧を目指せる人が、量をつくることやスピードを求められる上で細部にまでできることをできる形で実現しているものづくりは美しいのです。そうして作られたものは、たとえ大量生産品であっても長く愛でても飽きがこない、愛着の生まれるものになるのですから不思議です。もちろん、服づくりにだって同じことが言えます。

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今回お届けするシーンは、サンヨーソーイング青森工場においてコートのタグ付けをしている映像です。コートをフックにかけたりする時に使うあれですね。青森工場では、この小さなパーツひとつひとつを職人が手仕事でつけています。だって、しっかりついてなければいざという時その機能を果たせませんから。タグの端を指で折り返す感覚も、熟練の職人であればほぼすべて狂うことはありません。コートの中の細部に至るまで人の手を入れる。これは、青森工場にとってあまりに当たり前のことすぎて、もはや工場の誰もそれがスペシャルであることに気がついていないほどです。

しかし、細部にこそ魂が宿るように、細部にこそ工場のプライドと日々の研鑽が見て取れるもの。コートという服の中では最大サイズのひとつである品物の、最も小さなパーツのひとつの縫いあがりを大切にする様子を目の当たりにすると、服を見る目が変わってくるようです。

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Aomori Factory
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